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「YOHEI FUKUDA」

マスターラスト(基本木型)から作る、ハンドメイドの革靴に革命的な真実が起こっている

ヘリテージ コレクション
「ヘリテージ コレクション」 YOHEI FUKUDA / HERITAGE COLLECTION
価格:294.000円~/問い合わせ:ビジューワタナベ白金台・オルロジュリ/TEL:03-3441-2237

これまで筆者は多くの革靴(約750足)を履いてきたが、YOHEI FUKUDAの靴と出会ってからは、革靴への価値観が大きく変わった。なぜならば、履き心地、靴のスタイル、作りこみが類まれな極上の靴だからである。一般的な高級革靴(高級既成靴)とは、ブランド、歴史、高級素材で作られ、ある程度の量産されることが条件だ。したがって靴作りには、専門的な各種機械による工程が存在し、靴の形や機能を詳細に渡っての調整が難しい場合が多い。ところがYOHEI FUKUDAの作る靴には、ハンドメイドでしか作ることのできない、芸術的な靴作りの技巧と、圧倒的な履き心地が実現されている。

かつては顧客の足型を計測して木型を製作、その木型をベースに作る靴、いわゆるビスポーク靴が、極上靴とされてきた。しかしYOHEI FUKUDAのハンドメイド靴には高度に設計されたマスターラスト(基本木型)が存在している。そのマスターラストから作られた各サイズの仮履き用の靴から、後にアジャストして顧客用の靴が作られるわけだ。つまりマスターラストの形状とハンドメイドの技巧力が今の極上靴の革命であり、真実なのだろう。

顧客の足の形(木型)から作られた靴(一般的なビスポーク靴)を何足が履いてみると理解できることだが、現代の歩行環境では、路面に極端な凹凸がない舗装路なので、安定歩行が重視される。それは文明社会の黎明期の粗悪な路面環境での、靴本体全体での悪路歩行に対してのフィット感とは大きく異なるからだ。
特に顧客の木型ベースの靴ではデザインの希望や、足型に忠実に作られるので、アジャストの遊びが乏しく、何年か後には足の一部に、痛みを感じることもある。その点マスターラストでは、歩行時の靴内部での足の運動量、内側の土踏まずの形、脱いだ際の靴の形状回復など、多くの特性が盛り込むことが可能なのである。当然ながらマスターラストから作られた各サイズの仮履き用の靴は、顧客にとっても履き心地が瞬時に理解でき、顧客ごとの非効率で無駄な木型を作らなくてもOKとも考えられる。
とは言うものの、顧客ニーズは無限にあるので、一概にはビスポーク靴をすべて否定するわけではない。むしろ今の高級既成靴が存在しているのは、多くの顧客ノウハウを持つビスポーク用の木型があったからで、それらの木型研究の後に到達したのがマスターラストと言うことになる。

YOHEI FUKUDA氏は、英国屈指のジョン・.ロブ、エドワード・.グリーン、チャーチで靴作り修行を重ね、J.クレバリーの靴職人を筆頭に、日本人としては異例の数社の英国ビスポーク靴の正式なアウトワーカーとなった人物だ。やがて2008年、日本に帰国後に独立した。
YOHEI FUKUDAは現在、まだオーダーに余裕があるようだが、世界的にも有名になるのは時間の問題だろう。ご興味のある方は、東京・白金台にある「ビジューワタナベ白金台・オルロジュリ」にて、見本靴と仮履き用の靴を履いて頂くことをお勧めしたい。

木型研究の後に到達したマスターラスト


文:井伊 正紀
更新日:2009/06/06


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井伊 正紀 井伊 正紀氏
プロフィール:
靴、時計、メンズ・リアルクロージングのナヴィゲーター。雑誌では『UOMO』の時計の連載と『ラピタ』では靴の連載を執筆中。その他、様々な雑誌やテレビにて活躍している。
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