複雑時計の基礎知識 第1回【クロノグラフ・ラトラパンテ】
複雑時計をコンプリケーション・ウォッチと表現します、
前回「時計についての基礎あれこれ」でも説明してきましたように、
時計には様々な機構や表示が存在しています。
そこで、ここではそれらの各種時計機構とは一線を画した、
特殊な時計の機構(仕組み)を組み込むことで、
より複雑な時計が形作られることを説明したいと思います。
尚、以下のクロノグラフ・ラトラパンテ、永久カレンダー、トゥールビヨン、
ミニッツ・リピーターは特に代表的な複雑時計の機構のご紹介で、
これ以外にも様々な複雑時計があることを始めに申し上げます。
オメガのラトラパンテ
【クロノグラフ・ラトラパンテ】
クロノグラフでは、単純にひとつの時間を計測する仕組みでしたが、クロノグラフ・ラトラパンテでは、
複数の時間の計測が可能な仕組みをもつクロノグラフのことを言います。
英語ではスプリットセコンド・クロノグラフと言い、
ラトラパンテとはフランス語で「追いつく」を意味しています。
さて、スプリットセコンド・クロノグラフでの解釈は、計測を開始すると2つの重なった秒針が同時に駆動、
そしてあるひとつのプッシュボタンを操作すると、重なった秒針の1本だけが計測駆動を停止するのです。
その場合に「2本の秒針がまるで真二つに割れたように見える」ので、
スプリットセコンド(割れた針=日本では割り剣と表現)とも呼ばれています。
大きな特徴としては計測開始から任意の地点までの経過時間、いわゆるラップタイムが計測できることと、
プッシュボタンなどの操作で、再び進行中のもう1本の秒針に「追いつき合体」して、
再び2本の秒針として駆動するので、繰り返しラップタイムが計測できるわけです。
グラスヒュッテ・オリジナルのラトラパンテ
フランス語や英語の解釈は、そのお国柄で時計表記の解釈は若干違いますが、まったく時計の機能自体は同じです。
余談にはなりますが、ドイツでは秒針が2本あることから時計メーカーによってはドッペル・
クロノグラフ(2本針のクロノグラフ)とも呼ばれています。
いずれにしましても、この2つの秒針をもつクロノグラフに関しては、
秒針の計測操作によって複数の時間計測や、
繰り返しの経過時間を測定できることからも、そのメカニズムは複雑な機構な訳であります。
更新日:2008/03/27
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文/写真:井伊 正紀
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